高齢になった親族を、家族が介護して支えることは、なかなか難しいものだといえる。特に、仕事と家庭生活の両立を図ることが難しいため、しっかりと家庭内で話し合いをして対策を考えることが重要となる。
一番気をつけてほしいのが、一人だけに負担がいってしまうことだ。特に認知症の高齢者の介護は孤独できつい役割であるため、介護者自身が介護うつになってしまうケースもある。そうならないために、家族みんなで話し合い、協力し合うことが欠かせない。
たとえば、認知症や重度の身体障がいのためにほとんど自分で日常生活の動作ができない家族を介護する場合には、負担が大きくなる傾向が見られるため、すぐに信頼のおける自治体の窓口やケアマネジャーなどに相談を持ち掛けることが大切だ。
また、在宅介護を中心にショートステイやデイサービスなどの利用を検討する際は、各地の施設の空き状況を日ごろから把握したり、生活相談員などの各施設の担当者とこまめに打ち合わせをしたりすることが肝心といえる。
また、介護施設に長期の入所を希望する際は、契約時に高額な費用が発生したり、部屋に空きが出るまでに時間が掛かったりすることもあるため、早期から親族間で準備を始めておく必要があるだろう。
人口に占める高齢者の割合が大きい地域においては、在宅介護に取り組んでいる家庭に対する支援策として、利用可能な介護サービスの種類を増やしたり、経済的な面で援助をしたりしているところも少なくない。場合によっては、介護に関する相談会などをしている場合もあるため、親の介護で困っている人や、今後の介護方針の進め方で悩んでいる人は、足を運んでみることをおすすめする。